古く、雪駄は「せきだ(席駄)」と呼ばれていた。
「席」は「むしろ」や「竹や草で編んだ履物」の意味で、「駄」は下駄などの「駄」と同じく「履物」の意味である。
この「せきだ」が「せちだ」「せっだ」「せった」と変化し、漢字には「雪駄」の字が当てられた。
「雪」の字が当てられたのは、音変化に伴なったことのほかに、湿気を通さず雪の上でも歩ける丈夫さからともいわれる。
湿気を通さないよう草履の裏に革を張ったのは、千利休による考案と伝えられる。
かかとに「ちゃらかね」と呼ばれる金具(尻鉄)が打ちつけられたのは元禄年間以降のことで、それ以後、「雪駄」と言えば裏に金の打ってあるものをいうことが多くなった。