「足」「脚」「肢」の違い

一般的には「足」が多く使われるが、人のあしを指す部分によって漢字を使い分ける場合は、足首からつま先の部分を「足」、足首から骨盤までを「脚」と表記する。
哺乳動物には「肢」、昆虫には「脚」が多く用いられる。
生物の種類による使い分けというよりも、漢字が表す意味で使い分けされるため、哺乳動物に「脚」と書いたり、昆虫に「肢」と書くことも多い。

「足を運ぶ」「足を奪う」「足を洗う」「足が地に着かない」「足が早い」など、比喩的表現には「足」が多く使われる。
このような比喩表現の多くが、歩く・走るといった足を使った動作からや、足の形状に似たものである。

脚は動物の胴から下に伸びた部分を表すため、「馬脚」「脚光」「健脚」など、あし全体を表す言葉に多く使われる。
また、胴から下に伸びた部分や、支える部分といった意味から、「テーブルの脚」「脚立」など、物の下の細長い部分を表す際にも用いる。

肢は、肉月に支で「身体の枝」を意味し、主に、生物学や医学の用語で用いられる。
哺乳動物の場合は、人の手にあたる部分が「前肢(ぜんし)」、足にあたる部分が「後肢(こうし)」。
昆虫の場合は、前胸部にあるものを「前肢」、胸脚のうち後方の一対のものを「後肢」。
人の場合は、前肢(手)を「上肢(じょうし)」、後肢(足)は「下肢(かし)」という。

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