「召集」と「招集」はどちらも人を集める行為を指しますが、その使い方には微妙な違いがあります。
召集は、主に上位の立場から下位の立場の者を集める場合に使われる言葉です。「召す」という言葉は尊敬表現であり、通常は身分や地位の高い人が、自分より下位の者を呼び出す際に使用されます。たとえば、日本の戦前における「召集令状」は、天皇の名の下に軍隊に在郷軍人を呼び出す行為でした。また、国会の開催に関しても、内閣の助言と承認を受けた天皇の国事行為としての「召集」が行われます。
一方で、招集はより対等な立場の者同士で使われる言葉です。地方議会の開会の際、首長が議員を集める行為は「招集」と表現されます。自衛隊で隊員を集める際にも、戦時中の「召集令状」と区別して「招集」と表現されます。
このように、召集は「上位から下位への命令」のニュアンスが強く、招集は「対等な立場での呼びかけ」のニュアンスがあります。日常生活においては、「招集」が一般的に使われ、「召集」は特定の公的な文脈に限られることが多いです。