人見知りの語構成は、「人見+知り(知る)」と「人+見知り(見知る)」の二通り考えられる。
人見には「よその人を見る目」の意味があり、知るには「気づく」「感じ取る」の意味があるため、人見知りが「人見+知り(知る)」とすれば、見知らぬ人だと感じ取ることを意味する。
見知りは「顔見知り」のように「見覚えがあること」「面識があること」を意味するが、「見て知ること」の意味もあり、人を見て知ることは、人を見て判断することでもある。
人見知りは、恥ずかしがったり嫌ったりする点に注目されがちだが、乳児が見知らぬ人に対して恐怖を示し、泣き出す現象は、母親と見知らぬ人を区別する能力の現れである。
「人見+知り」の見知らぬ人だと感じ取ることも、「人+見知る」の人を見て判断することも、この区別の能力を表している。
そのため一方に絞ることは難しいが、「人臆面」は「人+臆面」、「人怖じ」は「人+怖じ」である。
普通の語構成からすれば、「人+見知り」とするのが良いであろう。