ギボウシは「ギボウシュ(擬宝珠)」の転で、つぼみが欄干などの親柱の上端につける「擬宝珠」に似ていることからというのが定説となっている。
しかし、この説には大きな問題がある。
植物の「ギボウシ」は12世紀の『堤中納言物語』に見られるが、欄干の「擬宝珠」が見られるのは14世紀の『太平記』からで、時代が前後してしまうのである。
欄干の「擬宝珠」の語源には、ネギの花の形をした「宝珠」の意味で「ネギボウシュ」、転じて「ギボウシュ」になった説がある。
また、ネギの花は「ギボウシュ」や「ギボウシ」と呼ばれていたことから、この植物の若い葉がネギに似ているため、「ギボウシ」と呼ぶようになったと考えるのが妥当である。