独り相撲の語源・由来

独り相撲は、あたかも二人で相撲を取っているかのような所作をすることで、実際に一人で取る相撲を言った。
この意味での独り相撲は、愛媛県今治市大三島町の大山祇神社などで神事として行なわれるほか、かつては、猿楽や大道芸としても行なわれていた。
藤原明衡の『新猿楽記』(11世紀半ば)では、京都市中で行われた滑稽な見せ物のひとつとして、「独り相撲」が挙げられている。

相手がいないのに自分だけ気負い込むことや、空回りのたとえとして「独り相撲」が使われるのは明治以降のことである。
内田魯庵『嚼氷冷語』(1899年)の「或る意味でいふと、文学は独り相撲を取ってゐたのである」や、夏目漱石『吾輩は猫である』(1905〜06年)の「独りで碁石を並べて一人相撲をとってゐる」が古い。

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