福井の地は旧称を「北ノ庄」といったが、寛永元年(1624年)、福井藩第三代藩主の松平忠昌氏が「北」は「敗北」に通じるとして嫌い、縁起の良い名前にと「福の居る場所」という意味で「北ノ庄城」を「福居城」と改め、元禄年間後期、現在の「福井」と改められた。
ただし、慶長12年(1607年)には「ふく井」の名が見られ、「福」の文字が使われた地名も見られるため、別称として「福井」があり、改称のもとになったのではないかと考えられる。
地名の語源は、よく水が湧き出るところの意味で「脹井(ふくヰ)」であろう。
その他、城のそばに「福の井」と呼ばれる井戸があるからや、城下を流れる「足羽川(あすわがわ)」を「福の多い川」と見立て、「川」の意味で「井」の字を使ったとする説もあるが、これらも「脹井」に由来するものと考えられる。