一辺倒の語源・由来

一辺倒は、第二次大戦後、毛沢東の論文から入った言葉といわれるが、それ以前に既に日本に入っており、毛沢東の論文によって有名になり流行した言葉というのが正しい。
一辺倒の語源は、中国宋学の入門書『近思録(1176年刊)』にある儒者・程顥の言葉「一辺を救ひ得れば、一辺に倒了す」に由来する。
これは「小賢しい者と話をするのは、酔っ払いを抱え助けるようなもの。一方から助けあげると、一方へ倒れかかる」といった、酔っ払いにたとえた言葉として使われている。
そこから、知識人は一つの考えにかたより、他の考えを退けるといった意味で、「一辺倒」は用いられた。
現代では、「ビール一辺倒だ」のように、好みがかたよっている意味で多く用いられる。
「お手本通り一方向に」の意味で「通り一辺倒」という表現が見られるが、「通り一辺倒」は良く言えば「造語」、悪く言えば「誤用」で、そのような言葉はない。
この表現は、形式的であるさまをいう「通り一遍」と混同したものと思われる。

出典:一辺倒 – 語源由来辞典

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