がんは、江戸時代の医学書に「乳岩」で見られるため、「岩」の漢字音が語源と考えられる。
がんを「岩」としたのは、触ると固いしこりがあるところからと思われる。
漢字の「癌」も、「岩」の異体字「嵒」に病垂れからなる文字である。
癌を英語で「cancer」といい、「かに座」も「cancer」である。
「cancer」は「カニ(蟹)」を表すギリシャ語「karkinos」に由来し、腫瘍とその周囲のリンパ節の腫れたさまが、カニの脚に似ることからの命名である。
この英語名と関連づけ、癌の語源を「蟹」の俗語形「ガニ」とする説もあるが、日本で「がん」と呼ばれるようになった時代や漢字の使用例から考えて妥当ではない。