カモシカは漢字で「氈鹿」と書くのが本来の形。
「氈(かも)」とは毛織の敷物「毛氈(もうせん)」のことで、毛氈を作るのに適した毛の鹿が名前の由来である。
ただし、カモシカはシカ科ではなく、ウシ科に属する。
古く、カモシカは「にく(褥)」とも呼ばれた。
「褥」は毛の敷物の「しとね」のことで、意味的にはカモシカの語源と同じである。
漢字では「羚羊」とも書くが、「羚羊」は「レイヨウ」という別種である。
人間の美脚をたとえて「カモシカのような足」と言う際の「カモシカ」も「レイヨウ」のことを指しており、実際のカモシカの脚は太いため、とても美しいとは言い難い。