嘘八百の「八百」は、江戸市中に町数が多いことをいった「八百八丁」や、大坂市中に橋が多いことをいった「八百八橋」などの「八百」と同じく、数が多いことを意味する。
「八百八丁」と掛けて、「嘘よりも八丁多い江戸の町」といった古川柳もある。
つまり、嘘八百は「多くの嘘」の意味から、何もかもが嘘だらけであることを表すようになった語である。
「八百」が「数多く」を表すのは、元々、「8」という数字が数の多いことを表すためである。
「8」が「数多く」を表すのは、仏教の考えからきたものと思われる。
仏教語には、「莫大な数の地獄」を表す「八万地獄」や「八万奈落」、数が非常に多いことを表す代表的な表現に「八万四千」などがある。