お足は、もとは女房詞。
お金はあたかも足が生えているかのように行ったり来たりすることから、お金を「足」にたとえ、女房詞なので接頭語の「お」が付いて「お足」となった。
中国晋時代の『銭神論』にある「翼なくして飛び、足なくして走る」に由来するともいわれるが、女房詞は日常から自然に発生した言葉ばかりなので、「お足」だけが書物に由来するとは考え難い。
『銭神論』を直接の語源とせず、日本の「お足」と『銭神論』の「足」は、同様の発想から生じたと考えるのが妥当であろう。
なお、旅費などをいう「お足代」の「足」は車など交通の手段を指しており、お金そのものを指す「お足」と関係するものではない。