お造りは、「つくり身」の「身」が略され、接頭語「お(御)」が付いた言葉で、元々は女性語である。
武家社会では「切る」という語を忌み嫌ったことから、「刺身」の「刺す」と同様に、関西では魚を切ることを「つくる(作る・造る)」と言い、刺身は「つくり身」と言った。
ただし、関西でも儀式料理では「刺身」が正式な呼び方で、淡水魚も「お造り(つくり身)」ではなく「刺身」と呼ばれていた。
現代では、「造る」という言葉の意味からか、綺麗に盛り飾られた切り身や、尾頭付きの切り身を「お造り」と呼び、飾り気のない切り身を「刺身」と呼ぶ傾向にある。