いとこ煮は、堅いものから順に煮ていく料理である。
そのため、「追い追い煮る」の意味から「追い追い」と「甥々(おいおい)」を掛けた洒落で、「いとこ煮」と呼ばれるようになったというのが定説となっている。
その他、「甥々」の補足的な語源説で「銘々に煮る」の意味で、「姪々(めいめい)」とも掛けられているといった説。
いとこ煮は様々な野菜が煮られ、種類は異なるが野菜は野菜であることから、近親関係のいとこに見立てたとする説がある。
「従弟似(いとこに)」という言葉を元に、「甥々」や「近親関係」などの意味が加わり、「いとこ煮」になったとする説もある。
しかし、突如「従弟似」という言葉が出るのは不自然なので、影響を受けたとしても、意味が先にあって生まれた呼称と考えるべきであろう。
いとこ煮の作り方は、豆と野菜を煮るという点では全国的に共通しているが、煮た小豆や大根を具にした味噌汁をさす地域もある。
神に供えた食物を寄せ集めて煮ることから始まった料理で、元々はお盆や正月、祭礼時に食べられていた。