いけにえの「いけ」は、生かしておく意味の動詞の連用形で、「生け花」「生け簀(いけす)」「活け魚」の「いけ」と同じである。
生け贄の「贄」は、神へ捧げる食物の意味で、多くは魚や鳥などを指すが、新穀を指して言うこともある。
「贄」の意味には植物である新穀や、死んだ動物も含まれるため、「生け」を付して生かしたままの状態であることを表している。
生きたまま神に供えることは、死んでから供えるのと違い、そのために命を落とすことである。
そこから、「生け贄」は何かのために犠牲になることの意味にも転じ、命に限らず、ある物事のために名誉や利益を投げ捨てることも意味するようになった。