『日本書紀』には、馬は百済より献上されたことが記されており、「うま」は漢字「馬」の呉音「ma」に由来する。
「ma」の頭字音「m」が強調されて「mma」と発音し、「ウマ」「ムマ」と表記されたと考えられる。
「ムマ」の表記は、「梅」が「ムメ」と表記されていたのと同じく、「ウ」が鼻音であるためである。
「馬」をモンゴル語では「mori(muri)」、満州語で「morin」、朝鮮語で「mar(mus、mat)」、支那語で「ma(mak)」、トルコ語で「mare」という。
「うま」の語源を、これら言語のいずれかに断定しようとするものもあるが、発音が「ma」で共通していると見る方が良いであろう。
英語で「メス馬」を「mare」と言うが、元々、馬はオス・メスの区別がなかった。
これは、古代高地ドイツ語の「marah」と同源で、印欧基語で「馬」を表す「marko-」に由来する。
「馬」を表す言葉が世界的に「ma」の発音で共通するのは、遊牧騎馬民族の言葉を元に広まったためと考えられており、どの国の言語が起源と特定できるものではない。