イルカの語源・由来

イルカの語源は、以下の通り諸説ある。
1.イルカ漁をすると大量に血が流れ出て、辺り一面が血の臭いになることから、「チノカ(血臭)」が転じたとする説。
2.「行く」を意味する「ユルキ」が転じたとする説。
3.イルカは海面に頭を出し入れすることから、一浮一没の魚の意味で「イリウク(入浮)」が転じたとする説。
4.よく入り江に入ってくるので、「イルエ(入江)」が転じたとする説。
5.「イルカ」の「イル」は「イヲ(魚)」で、「カ」は食用獣をいう語とする説。

イルカを「ユリカ」と呼ぶ地方もあり、この方言が「イルカ」の訛りでなければ2の説が有力である。
最も有力な説は5で、古く「ウロコ」は「イロコ」と呼ばれており、「イル」や「イロ」「イヲ」は魚を表す言葉に用いられる。
また、食べ物の神は「ウカノミタマ(食稲塊)」と呼ばれ、「ウカ」には「食」の意味があり、「稲」が陸上の食「ウカ」とすれば、水中の「ウカ」が「イルウカ」や「イロウカ」と呼ばれ、転じて「イルカ」になったことは十分に考えられる。

イルカの漢字「海豚」は中国語で、海に棲む豚に似た生き物の意味である。
中国では「海豚」の他に、「海猪」や「江豚」とも書かれ、日本でも『和名抄』には「江豚 伊流可」とある(『古事記』では「入鹿魚」)。

TOP
テキストのコピーはできません。