「おけらになる」の語源には諸説がありますが、一般的には漢字で「螻蛄になる」と表記されるように、昆虫の「ケラ(螻蛄)」に由来すると考えられています。この説によれば、オケラは前から見ると万歳をしているように見え、一文無しでお手上げ状態になった人をオケラに見立て、「おけらになる」という表現が生まれたとされています。
別の説では、博打に負けて無一文になった者を「裸虫」と呼んでいたことから、オケラに見立てたとするものもあります。また、おけらが植物の「オケラ(朮)」のことであり、この植物は根の皮を剥いで薬用とされるため、「おけらになる」は身の皮を剥がれるように貧困になることを指すとする説も存在します。