心の語源には、「凝々(こりこり)」「凝々(ころころ)」「凝る(こごる)」などから転じたとする、「凝」に絡めた説が多くあるが、正確な語源は未詳である。
漢字の「心」は心臓の形をかたどったもので、中国語では心臓の鼓動と精神作用が結びつけて考えられていた。
『万葉集』には「肝向ふ 心砕けて」とあり、日本語の「こころ」も「肝(肝臓)」と向かい合うもの。つまり、心臓を意味する言葉だったようである。
中古以後に「こころ」は臓器としての「心臓」の意味が薄れ、漢語の「心(しん)」に代わり、「心の臓」という形で「心臓」を意味するようになった。