カリの語源は、「カリカリ」と鳴く鳴き声からとする説が有力である。
その他、秋に来て春には北へ帰ることから、「帰り(かへり)」の中略とする説。
「カ」を水に棲む鳥を呼ぶ語とする説。
「ガン」が転じたとする説などがある。
「帰り(かへり)」の説は、上略や下略ではなく中略で、鳴き声の説に比べると説得力に欠ける。
「カ」を水に棲む鳥とする説は、カリの「リ」について触れられていない。
「ガン」の転呼とする説は、上代に「雁」を「ガン」と読んだ例はなく、古くは「カリ」が一般的であったことが考慮されていない。
このようなことから、カリの語源は鳴き声と考えるのが妥当である。