バリカンの語源・由来

バリカンは、フランスの製作会社名「Barriquand et Marre(バリカン・エ・マール商会)」に由来する語。
しかし、フランス語では「tondeuse(トンズーズ)」、英語では「hair clippers (ヘア・クリッパーズ)」で、バリカンは日本独自の呼称である。
明治16年(1883年)に、フランス駐在の外交官だった長田桂太郎がバリカンを日本へ持ち帰り、明治18年(1885年)に、理髪師の鳥海定吉が使用してから普及したといわれる。
舶来品のバリカンは高価だったため、使用せず大切に保管する店もあったという。
この散髪器具はフランスから入ったものなので、本来「トンズーズ」と呼ばれるはずだが、なぜか日本では「バリカン」の名で広まった。
そのバリカンの語源を発見したのは、言語学者の金田一京助氏で、それまで大変な苦労をしている。
金田一氏が三省堂にいた頃、「日本外来語辞典」の編集をすることになり、三年も費やしあらゆる文献を調べたが、バリカンの語源だけが分からなかった。
床屋へ行った際、店主にあれこれ聞いても分からなかったが、「バリカンの機械か箱にバリカンとは書いてないものか?」と言って手にしたところ、「Barriquand et Marre」の刻印を見つけた。
そこで、会社名の「バリカン」が商品名と勘違いされ、散髪器具の名前として広まったことを発見したのであった。

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