「もしもし」は、「申し」を連ねて短縮された言葉で、江戸時代には「申し」が単独で使われていました。初期の電話が導入された当初、電話を持っていたのは高級官僚や実業家など限られた階層でした。このため、電話の呼びかけには「おいおい」といった表現が一般的で、「はい、ようござんす」と返答されていました。
「もしもし」が電話の呼びかけに使われるようになったのは、電話交換手が中継ぎをしていたためです。電話をかける際に繋ぐ相手に失礼にならないように、「申し上げます」という言葉が使われていました。日本で初めて電話交換業務が行われたのは、明治23年(1890年)12月16日であり、東京・横浜間で行われました。