布団は、禅僧が座禅のときに用いる「蒲の葉」で編んだ円い敷物であった。
円い蒲という意味で「蒲団」と書き、唐音で「ふとん」と読んだ。
室町時代末頃になり、綿や布でくるんだ座布団のような敷物が作られ、「蒲のふとん」と同じ用途で使われていた。
江戸時代以降、綿作りが広がるとともに、大型の綿入れの「蒲団」が作られ、寝具として用いられるようになった。
やがて、寝具の「ふとん」と敷物の「ふとん」は区別され、寝具は「蒲団」、敷物は「座蒲団」となった。
「蒲」の意味が薄れたことで「布」の字が当てられて、「布団」や「座布団」の表記になった。