ビールの栄養基礎知識

ビールの特徴、栄養・効能、選び方、保存方法、種類、世界のビールなど、知っておきたいビールの基礎知識。

ビールの特徴

ビールとは麦を主原料とした、苦みが特徴の発泡性の醸造酒です。原料となる麦芽をホップや水と共に酵母の力で発酵させて作られ、今では世界各地で100種類以上のビールが楽しまれています。
主に常温に近い温度で発酵させるエール(上面発酵)と、低温で発酵させるラガー(下面発酵)、人工培養していない空気中や土中の野生酵母を使って作る自然発酵ビールに分けられます。
現在日本ではさまざまなビールが楽しめますが、ラガーやピルスナーなど下面発酵のすっきりとしたビールが主流です。

ビールの栄養・効能

原料となる大麦に含まれる炭水化物が、ビールに含まれる主なエネルギーとなります。
ビールに含まれるプリン体は体内で尿酸に分解され、関節に溜まると痛風、腎臓や尿道では結石の原因となります。これらを防ぐには尿量を増やすことと、摂取しすぎないことが大切です。ビールの1日の飲酒量の目安は「中瓶1本(500ml)」程度とされています。
原料の一つであるホップは古くから民間療法に用いられてきた植物で、女性ホルモンに似た働きをする成分のほか、その香りや苦みが鎮静効果、抗菌効果、食欲増進作用があると言われています。

ビールの選び方

すっきりとした味わいが楽しみたいのであれば、下面発酵のラガーやピルスナーがおすすめです。コクや香りで選ぶのであればエールやセゾンといった上面発酵ビールがよいでしょう。
また強い苦みと高いアルコール度数が特徴のインペリアルIPAなど、クラフトビールは製造方法によりその個性も異なります。
製品によっては糖質0やプリン体0と成分を調整している製品もあるので、栄養成分面で選ぶ場合は表記を確認しましょう。

ビールの保存方法

ビールは冷やし過ぎてしまうと泡立ちが悪くなったり、味が損なわれたりしてしまいます。また高温でも異臭や変色の原因となってしまうため、暗く風通しのよい所に保存して飲む前に冷やすのがおすすめです。
特に香りを楽しむエール系のビールは冷やし過ぎると香りを感じにくくなってしまうので、新聞紙等に包み野菜室で冷やすようにしましょう。

ビールの種類

生ビールとは酵母の変色を防ぐ熱処理をしていないビールを指します。
またビールとは麦芽を50%以上使用しているものを指し、麦芽使用50%未満のものやビール醸造に認められていない原料を使用している場合は発泡酒と呼びます。
また発泡酒にリキュールなどの別のアルコール飲料を混ぜたものは、「第三のビール」と呼ばれます。

世界の主なビール

ピルスナー

ホップの効いた苦みと爽快感が特徴のビールです。チェコ発祥で、日本を代表する淡色ビールはこちらに分類されます。

エール

イギリスで発展した上面発酵ビールです。淡色のペールエール、中濃色でホップの香りを抑えたマイルドエール、スコットランド式の濃色のスコッチエールなどさまざまな種類があります。

バイツェン

ドイツのバイエルン地方のビールで、淡色ビールが多いですが一部濃色のものもあります。多くのビールが大麦を使用するところ、このビールは小麦を使用しており、さらにホップの使用を抑えていることから苦みが少なく飲みやすいビールです。

スタウト

原料の一部に砂糖を使用したビールです。濃色で苦みの強いものから、ホップを抑えた甘みのあるビールまで幅広い味わいが楽しめます。

黒ビール

見た目が黒く、香ばしさが特徴です。原料にチョコレートモルトやブラックモルトなど、濃色のよく焙煎した麦芽を使用しています。

出典:ビールの基礎知識 – 食品食材栄養事典

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