「姑息」と「卑怯」の違いと一般的な誤解

「姑息」と「卑怯」は意味や用法に微妙な違いがありますが、「姑息」を「卑怯」と誤解する傾向が強く、文化庁の国語に関する世論調査でも7割以上がこの誤解を示しています。

本来、「姑息」は「一時しのぎ」や「その場逃れ」の意味で、一時の間に合わせに物事をする行動面を表します。一方で、「卑怯」は「正々堂々としていない」や「卑劣なさま」を指し、その人の性質的な部分を表す言葉です。
「姑息な手段を使いやがって」と言えば、「一時しのぎの手段を使いやがって」と言っていることになります。この一時しのぎの行動が卑怯な行為とも受け取れるため、「姑息=卑怯」という誤解が生じています。

卑怯な行為が一時しのぎであれば「姑息」ですが、一時しのぎの行為でなければ「姑息」ではありません。この誤解が深いため、「卑怯」の意味で「姑息」を使っても、現在では間違いとはみなされないこともありますが、本来は誤りです。注意深く使い分けることが言葉の正確な理解に繋がります。

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