自然災害が起こるおそれがあるとき、注意喚起や警告のために発表されるものには、「注意報」「警報」「特別警報」がある。
注意報は「災害が起るおそれがある場合にその旨を注意して行う予報」。
注意報の対象となるのは、気象・地面現象・高潮・波浪・浸水・洪水の6種類で、気象注意報の中には、風雪・強風・大雨・大雪・雷・乾燥・濃霧・霜・なだれ・低温・着雪・着氷・融雪の13種類ある。
警報は「重大な災害の起こるおそれのある旨を警告して行う予報」。
警報の対象となるのは、気象・地面現象・高潮・波浪・浸水・洪水の6種類で、注意報と同じだが、気象の中身に違いがあり、気象警報は暴風・暴風雪・大雨・大雪の4種類である。
特別警報は「予想される現象が特に異常であるため重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に、その旨を示して行う警報」。
平成25年(2013)8月30日から運用が開始された新しい警報である。
特別警報となるのは、気象・地面現象・高潮・波浪の4種類で、気象特別警報は暴風・暴風雪・大雨・大雪の4種類である。
「注意報」「警報」「特別警報」の順に被害のおそれが強くなり、特別警報にいたっては、数十年に一度しかないような大災害が起こると予想される場合に発表し、最大級の警戒を呼び掛けるものなので、避難指示や避難勧告に従い、早めに行動することが必要である。
「注意報」「警報」「特別警報」の全国的に共通する基準については以上の通りだが、具体的な基準については書くことができない。
というのも、注意報や警報は、各地の地形、地盤の強度、気候によって、地域ごとで基準が違うためである。
例えば、北海道や北陸地方などの降雪量が多い地域と、東京などの少ない地域では、同じ雪の量でも対応できる力に違いがあり、災害が起こる可能性も違ってくる。
東京の例年の降雪量を全国の基準としたならば、北海道や北陸は常に「警報」が出されることになり、北海道や北陸に基準を合わせれば、「注意報」でも東京は災害が起きる可能性が高くなるのである。
ちなみに、沖縄ではめったに雪が降らないため、大雪注意報の基準すら設けられていない。
また、「注意報」と「警報・特別警報」では基づく法律にも違いがある。
警報と特別警報は「気象業務法」で定義されたものだが、注意報の定義は「気象業務法施行令」である。