「許可」と「認可」は、日常的にはほとんど意味の違いがないように感じられるかもしれませんが、行政用語として使用する際には重要な違いがあります。
許可は、法令によって一般に禁止されている行為について、行政庁が特定の条件の下でその行為を合法的に行うことを許すことを指します。例としては、風俗営業の許可、飲食店営業の許可、自動車運転免許の取得などがあります。これらの行為は、許可がなければ禁止されており、違反すると処罰の対象となることがあります。
一方、認可は、法律上の効力を持たせるために、行政庁の同意が必要な行為に対して与えられるものです。学校法人や保育園の設立、電気・ガスの料金設定や交通運賃の決定・変更、銀行の合併などがこれに該当します。認可は、その行為自体が禁止されているわけではなく、法的な効力を完全にするために必要な手続きです。認可なしに行われた行為は無効となりますが、原則として処罰の対象とはなりません。
このように、許可と認可は、行政的な文脈において異なる法的な意味と役割を持ちます。特に、行政手続きにおいては、これらの用語の正確な理解が不可欠です。許可は禁止されている行為を合法化するための手続きであり、認可は法的な効力を持たせるための同意手続きです。