紐のように細いこんにゃくには、「しらたき(白滝)」と「糸こんにゃく(糸蒟蒻)」の呼び名がある。
色の違いによって、白いものが「しらたき」、黒くまだらのものが「糸こんにゃく」と思われがちだが、黒いしらたきもあれば、白い糸こんにゃくもある。
しらたきも糸こんにゃくも、江戸時代に誕生したものだが、しらたきは主に関東で作られ、糸こんにゃくは主に関西で作られたもので、元々製法に違いがあった。
しらたきは、固まり切っていないゼリー状のものを、円筒の細い穴からところてんのように押し出したものを湯で固める。
こんにゃくが穴から出てくる姿が、白い滝のように見えることから「しらたき」と名付けられた。
糸こんにゃくは、固まった板こんにゃくを細く切って糸状にしたものなので「糸こんにゃく」と呼ぶのである。
このような製法の違いから、しらたきの太さは2~3mmぐらい、糸こんにゃくの太さは4~8mmぐらいのものが多い。
現在では製法に違いはなくなっており、太さによって呼び分けられることもないが、昔から馴染みのある呼称だけが残り、関東のメーカーや関東で販売されるものは「しらたき」、関西のメーカーや関西で販売されるものは「糸こんにゃく」となっていることが多く、しらたきと糸こんにゃくの違いは、地域による違いしかないと言ってよい。
ちなみに、「糸こんにゃく」と呼ばれることが多いため、ここまで「糸こんにゃく」として解説を続けてきたが、本来は「糸ごんにゃく」という。