土偶と埴輪は、どちらも古い時代の土製の焼き物だが、作られた時代や使用目的が異なり、関係性もない。
土偶は縄文時代に作られた土製品で、最古の土偶は三重県から出土した縄文時代草創期のものである。
土偶には人物や動物をかたどったものがあるが、特に、乳房や臀部を強調した女性像が多い。
また、完全な姿形をした土偶は非常に少なく、手や足などの体の一部が故意に破壊されたと見られる状態で出土することが多いため、出産や豊穣、悪魔払いなどの呪術的な用途で使用されたとみられている。
埴輪は古墳時代に作られた土製品で、円筒埴輪と形象埴輪があり、形象埴輪には巫女・貴人・武人などの人物埴輪、馬・鶏・猪・犬などの動物埴輪、盾・靫(ゆぎ)・鎧などの器財埴輪、住居などの家をかたどった家形埴輪がある。
埴輪は古墳の周囲や上に並べられるもので、当初は、古墳に葬られる人物の生前の権威を示したり、その死者の霊に対する捧げもののであったが、5世紀以降は、葬儀の様子を表したものになっていったといわれる。