青森県の伝統的な祭りである「ねぶた」と「ねぷた」は、地域による訛りの違いに基づく呼称ですが、一般的には青森市の祭りを「ねぶた」と呼び、弘前市の祭りを「ねぷた」と称します。ただし、青森県内には多数の「ねぶた祭り」「ねぷた祭り」が存在し、この呼称は必ずしも祭りの形態を反映しているわけではありません。
青森市の「青森ねぶた」と弘前市の「弘前ねぷた」は、いずれも色鮮やかな山車が特徴で、祭りには地元の人々が熱狂的に参加します。しかし、これら二つの祭りが持つ特徴から、「ねぶた」と「ねぷた」の違いを説明することは誤解を招く可能性があります。
たとえば、一般的な認識として、ねぶたは立体的で人形型、ねぷたは平面的で扇型とされることがあります。しかしこれは青森ねぶたと弘前ねぷたの特徴にすぎず、他の地域の祭りではこのような区別は明確ではありません。実際、弘前ねぷたにも人型の山車が存在します。
また、掛け声の違い（「ラッセラー」や「ヤーヤドー」）も、青森ねぶたと弘前ねぷた特有のものであり、他の地域の祭りでは異なる掛け声が用いられます。五所川原市の「五所川原立佞武多（ごしょがわらたちねぷた）」はその良い例で、青森市や弘前市とは異なる地域で開催され、独自の掛け声「ヤッテマレ」を用います。
このように、ねぶたとねぷたの違いは、地域による訛り方の違いに過ぎません。「ねぶた」と呼ばれる地域は青森市周辺と下北地方で多く見られ、「ねぷた」と呼ばれる地域は弘前市を中心とした津軽地方に多いです。それぞれの祭りは、地域ごとに独自の特色と伝統を持っています。