靴の語源は、「ケルタル(蹴足)」の転や、足を納めるさまを表す擬態語「クツ」など諸説あるが、朝鮮から日本に多くの文物が持ち込まれたことから、朝鮮語の「kuit(グドゥ)」説が有力である。
世界で最も古い履物は古代エジプトのサンダルで、西洋靴のルーツとなっている。
日本では、軍靴の必要から明治初年に西洋靴が作られるようになったが、履物という意味での靴は、奈良・平安時代には既に履かれていた。
ただし、当時は上流階級のみが履き、庶民は裸足であった。
鎌倉・室町時代には、鼻緒のある履物が発達し、靴は公家階級だけのものとなった。
現在は、ほとんどが「靴」と漢字表記されるが、装束の履物を指す際の靴は「履」と表記され、革製の履は「沓」と表記された。