口コミの「コミ」は「コミュニケーション」の略で、1962年頃からジャーナリストの大宅壮一が使い始めた造語である。
「マスコミ(マス・コミュニケーション)」と対比する形で使われることが多いため、「マスコミ」をもじって「口コミ」になったとも言われる。
しかし、「マスコミ」をもじったのは確かだと思われるが、「マスコミ」と対比する言葉ではなかったようである。
大宅壮一は、講演会や座談会のほか、ラジオやテレビを通じて口で語って伝えることを「口コミ」とし、活字による著述を「手コミ」といって「口コミ」の対比的な言葉として使っていた。
現代ではインターネットが普及し、個人が情報を発するようになったため、口頭による伝達でなく、ブログやSNSなどに書かれる意見や噂も、「口コミ」と言うようになった。
これらは文字で表現されているのに、「手コミ」ではなく「口コミ」と言う理由は、対象が意見や噂であることや、個人的な口伝えの感覚でされていること。また、「口コミ」ほど「手コミ」という言葉が一般に広まっていなかったことからと考えられる。