唇の語源・由来

唇は、口のふちにあることから「くちへり(口縁)」の転か、「くちへら(口辺)」の意味と考えられている。
上代には清音で「クチヒル」と言っていたようで、奈良時代の仏典には「脣」に「久知比流」の訓が見られる。
「くちびる」と濁音化された例は、平安末期の漢和辞書『類聚名義抄』に見られる。

漢字の「唇」や「脣」の「辰」は、「振」や「震」にも用いられているように、ふるえることと関係している。
「辰」の原字は、貝殻からびりびりふるえる柔らかい貝の足が出た姿を描いた象形文字で、「唇」の字は柔らかくてふるえるくちびるを表していた。

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