つくえは、突き出した四本の枝で台を支えていることから、「ツキエ(突き枝)」が転じた語と考えられる。
漢字の「机」の「几」も脚付きの台を描いた象形文字で、「つくえ」の語源と通じる。
平安時代の『和名抄』に「机 都久恵」とあることから、机の歴史的仮名遣いは「ツクヱ(わ行の「ゑ」)」とされていたが、それ以前の文献に「ツクエ」「ツ支江」の表記が見られるため、現在では「ツクエ(や行の「え」)」が有力な歴史的仮名遣いとされている。
机の語源には、「衝据(ツキスヱ)」や「坏据(ツキスヱ)」「坏居(ツキヰ)」の転といった説もあるが、上記のように歴史的仮名遣いが異なるため考え難い。
現代では主に、読み書きに用いるものを言うようになったが、古くは「文机(ふみづくえ)」と言って区別されていたように、読み書きに使う台を言ったのではなく、床に直接置けない物(神への供物、客人へ差し上げる飲食物や衣類)を載せる台を言った。