ドジは近世中期以降に多く見られる語で、近世末期の『俚言集覧』には「鈍遅(どんち)」と関連付ける記述があり、「どんち」が転訛し「どじ(旧かなは「どぢ」)」になったとする説が有力とされる。
その他、ドジの語源は「とちる」の名詞形「とちり」の転訛とする説や、はっきりしないさまをいう近世語「どぢぐぢ」の下略とする説など諸説あり、正確な語源は未詳。
雑学の世界では、江戸時代、相撲用語で土俵の外に出ることを「土地を踏む」と言っていたことから、「土地」が訛り「どじ」になったとしているが、「土地を踏む」の用例は見られない。
「ドジを踏む」という語感から、そのような言葉があったものとして、後世に作られた俗説と考えられる。