たちまちは、立ったまま事の成りを待つ意味の「立ち待ち」に由来する。
現代のスピード感覚で言えば、立って待っている時間を「短時間」とは考えないが、「立ち待ち」は旧暦17日の夜の月(特に、旧暦8月17日の月)を表す「立待月(たちまちづき)」の略としても知られる。
この立待月は、立って待っている間(たちまち)に出る月の意味で、「たちまち」の語が生じた時代は、時間の感覚がゆったりとしていたのである。
立待月よりやや遅く出る18日の月(特に旧暦8月18日の月)は、座って待つ月の意味から「居待月(いまちづき)」、それよりも更に遅く出る19日の月(特に旧暦8月19日の月)は、寝て待つ月の意味から「寝待月(ねまちづき)」と言う。