グレコローマンの「グレコ(Greco)」は「ギリシャの」、「ローマン(Roman)」は「ローマの」を意味するが、このスタイルが確立された後に命名された名前である。
腰から下のホールドを禁じたスタイルのレスリングは、フランス兵士のジャン・エクスブライアットが開発したもので、彼は「フラットハンドレスリング」と名付け、他の国では「フレンチレスリング」とも呼ばれていた。
このレスリングスタイルは、古代ギリシャや古代ローマなど、地中海を取り巻く古代文明に多く見られたレスリングに似ているとして、イタリアのレスラーであったバシリオ・バルトレティによって「グレコローマン」と名付けられた。
ただし、この命名がされた頃は、古代との繫がりを見つけ、運動習慣に価値を付加しようとしていた時代で、古代の価値観への関心を強調するため、ギリシャやローマが持ち出されたが、グレコローマンと本当の古代レスリングではかなり異なる。
グレコローマンスタイルのレスリングは、19世紀の間にヨーロッパ中で人気のスポーツとなり、1896年のアテネオリンピックから導入された。
ちなみに、オリンピックでフリースタイルのレスリングが実施されたのは、1904年のセントルイスオリンピックからである。