薩摩守の語源・由来

薩摩守は、現在の鹿児島県西部にあたる薩摩の国の長官を表した言葉で、特に、平忠度を指すことが多い。
その「忠度(ただのり)」と「ただ乗り」を掛けて、無賃乗車を「薩摩守」と言うようになった。
これは、狂言『薩摩守』の中で、秀句好きの船頭に秀句を言えば、ただで渡し舟に乗れることを知った僧侶が、いざ舟銭代わりに秀句を言う段になって、肝心の「舟銭は薩摩守、つまり平忠度(ただのり)」というオチを忘れてしまい、恥をかくという話に由来する。
ただ乗りを「薩摩守」で表した例は、中世末から近世にかけて多く見られるが、現代ではほぼ使われず死語となっている。

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