『日本書紀』には「イタドリ」を「タヂ」と称した記述があり、タヂはタデのことで、イタドリの語構成は接頭語「イ」、「タド(蓼)」、接尾語「リ」と考えられる。
イタドリの語源は、若葉を患部に当てると痛みが取れることからというのが通説となっているが、痛みを「イタ」と単独で使用することはなく、「タヂ」の呼称が考慮されていないため考えがたい。
その他、傷口にすりこんで止血することから「イタチ(板血)」が変化したとする説や、表皮から糸状のものが出ることから「イトドリ(糸取)」が転じたとする説。春、真っ先に芽を出し、食卓を採集する意味で「サイタナドリ(先立菜取)の転訛など諸説あるが、いずれもイタドリを語源の出発点とし、「タヂ」の呼称が考慮されていない。
漢字の「虎杖」は中国からの借用で、漢方ではイタドリの根を「虎杖根(こじょうこん)」という。
イタドリを「虎杖」と書くのは、茎の節ごとに赤紫の筋が入り、その筋がトラの縞模様に似ていることに由来する。
茎が杖を表す由来には、イタドリの茎が実際に杖として使われていたからという説と、杖になりそうなもののというたとえとする説がある。