へそくりは「臍繰り金(へそくりがね)」の略だが、へそくりの「へそ」と、人間の「へそ(臍)」は全く関係ないものである。
漢字の「臍」は混同からの当て字で、本来は「綜麻繰り金」と書く。
綜麻(へそ)とは、紡いだ麻糸を環状に幾重にも巻きつけた糸巻きのことで、「苧環(おだまき)」ともいう。
その綜麻を繰って貯めたお金を「綜麻繰り金」と言い、「へそ」が人間の臍(へそ)と誤解され、「臍繰り金」と書かれるようになったのである。
さらに、臍は「ほぞ」とも言うことから、へそくり(金)は「ほぞくり金」や「ほぞくり」「ほぞ金」などとも呼ばれた。