味噌を器につけて汚してしまい、見苦しいという意味から、失敗することや面目を失うことを「味噌をつける」と言うようになった。
この他、昔は火傷を治すには味噌を塗るのが良いと信じられており、火傷は何らかでしくじった時に多いため、失敗することを「味噌をつける」と言うようになったという説もある。
しかし、この説は火傷治療の俗信があることから作られた民間語源説で、この治療法から失敗を意味するようになったという文献は見当たらない。
「味噌をつける」の慣用句が見られる以前には、「味噌」のみで「失敗」や「欠点」を意味していた。
味噌が器を汚してしまうものと考えれば、単独で「失敗」や「欠点」を意味することは不自然ではない。
しかし、火傷の治療の場合は「火傷」が「失敗」を表しており、つける行為がなければ「味噌」と「失敗」は結びつかないため、「味噌」が単独で使われるよりも前に、「味噌をつける」という慣用句が生まれていなければ不自然である。