暮れなずむの語源・由来

暮れなずむの「なずむ(泥む)」は、物事がなかなか進行しないことを意味する。
そこから、日が暮れそうでいて、なかなか暮れない状態を「暮れなずむ」と言うようになった。
日が暮れかかってから、すっかり暗くなるまでに時間がかかるのは、日足の長い春の日で、「暮れかぬる」など春の季語と意味が近く、『3年B組金八先生』の主題歌『贈る言葉』は、季節もぴったりの歌詞である。

現代では、「暮れなずむ」以外は滅多に使われない「なずむ」だが、『古事記』にも見られる古い言葉である。
元々、「なずむ」は馬が前へ進もうとしても、障害があってなかなか進めないでいる状態を意味し、主に歩行の様子に用いられた言葉であった。
平安時代には心理的な停滞も表すようになり、「執着する」「思いを寄せる」といった意味も生じた。
また、「なじむ(馴染む)」と音が類似することから、幕末には「なずむ」が「慣れ親しむ」の意味でも使われていた。

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