千鳥の語源・由来

チドリは奈良時代から見られる名で、チドリの「チ」は鳴き声を表していると思われる。
『古今和歌集』ではチドリの鳴き声を「ヤチヨ」、江戸時代には「チヨ」や「チリ」、近世には「チチ」としており、どの時代でも「チ」が含まれている。
『古今和歌集』の「ヤチヨ」は、チドリの鳴き声をめでたい「八千代」の意味にしたものである。

千鳥の語源には、多数で群れをなすところから、数の多いことを表す「千」で「千鳥」になったとする説もあるが、有力な説と考えられていない。
「たくさんの鳥」の意味でも「千鳥」と言うが、これはチドリ類以外の鳥も含めた表現で、類語の「百千鳥(ももちどり)」は、特にウグイスを指すことが多い言葉で、たくさんの鳥の「千鳥」と「チドリ類」は分けて考える必要がある。
なお、『万葉集』には「ちどり」を詠った歌が22首あり、そのうち4首は群れをなしている一般の鳥を指している。

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