にんじんは、人の形に似ていることからの名で、その根に頭や足・手があり、人のような形をしたものが最上とされた。
ただし、ここでいう「にんじん」の名は、奈良時代に渡来し、薬用として栽培されていたウコギ科の「朝鮮人参(オタネニンジン)」のことである。
現在「にんじん」と呼ばれているものは、地中海沿岸地方から中国を経て、16世紀に日本に渡来した。
根が朝鮮人参、葉がセリに似ていることから、当初は「セリニンジン」と呼ばれた。
その他、朝鮮人参とセリ科のにんじんを区別するために、「菜人参(なにんじん)」「人参菜(にんじんな)」。また、畑に植えることから「畑人参(はたにんじん)」などとも呼ばれた。
やがて、これが主流となり、セリ科のにんじんを指して「にんじん」と呼ぶようになった。