模造紙は、局紙を模造した洋紙が元になっているものである。
局紙とは、明治元年に大蔵省印刷局で抄造(製造)された三椏(ミツマタ)が原料の和紙のこと。
この局紙がヨーロッパへ輸出され、オーストリアの製紙会社が亜硫酸パルプを原料に模造した紙を造り、「Simili Japanese vellum(日本の上質皮紙を模造した紙)」と呼んだ。
この紙が日本に逆輸入され、1913年に九州製紙が改良を加えて国産化したことから、この紙は「模造紙」と呼ばれるようになった。
つまり、局紙を模造した紙を更に模造したものが、「模造紙」ということである。
模造紙は、愛知県・岐阜県では「B紙(ビーし)」、富山県で「雁皮(がんぴ)」、愛媛県・香川県・沖縄県で「鳥の子洋紙」など、地域によって様々な名前で呼ばれており、「模造紙」では通じない地域もある。