にんにくの語源・由来

にんにくの語源には、「匂悪・匂憎(においにくむ)」の略や、「香匂憎(かにおいにく)」の意味など諸説あるが、仏教用語の「忍辱(にんにく)」を語源とする説が有力である。
忍辱は、侮辱や苦しみに耐え忍び心を動かさないことを意味し、その修行は「忍辱波羅蜜」という。

仏教では、「ニンニク」「ニラ」「ネギ」「ラッキョウ」「ノビル」など、臭気の強い五種の野菜を「五葷(ごぐん)」「五辛(ごしん)」と言い、これを食べると情欲・憤怒が増進する強情食品として、僧侶たちは食べることが禁じられたいた。
五葷のひとつである「にんにく」を、僧侶たちが隠し忍んで食べたことから、「忍辱」の語を隠語として用いたとされる。
にんにくの語源を「忍辱」とする中には、僧侶が修行に耐えるため、強力な匂いに耐え食したことからとする説もある。
しかし、食べることが禁じられていたことに反するため、これは「忍辱」の説から派生した誤解釈と考えられる。

にんにくの漢字「大蒜」の本来の読みは「おおひる」で、「蒜(ひる)」は「ニンニク」「ネギ」「ノビル」など、ヒガンバナ科の多年草で食用となるものの古名である。
また、古くは「蒜」が「葫」と表記され、「にんにく」の意味として用いられていた。

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