白は、形容詞「白し(しろし)」の語幹。
『枕草子』に「春はあけぼの やうやうしろくなり行く」とあるが、この場合の「しろく」は、明るくはっきりしたさまを表している。
「著しい」を古くは「いちしるし(いちしろし)」と言い、この「しるし(しろし)」は「はっきりしている」という意味である。
「目印」などと用いられる「しるし」も、はっきりしたさまを表している。
白の語源は、これら「はっきりとしたさま」の意味を表す「しろし」「しるし」に通ずる。
また、「し」の音には指示性のある語が多く、明確さを表す音であったと考えられる。