ぞっこんを古くは清音で「そっこん」と言い、1603年の『日葡辞書』には「心底」の意味で「ソッコンヨリモウス」の例が見られる。
このことから、ぞっこんは「底根(そここん)」が促音化された「そっこん」が濁音化して、「ぞっこん」になった語と考えられる。
ただし、「底根」は「底つ根」としての例は見られるが、「そここん」と読まれた例はないため決定的な説ではない。
なお、「底つ根」の「つ」は「の」で「底の根」、つまり「地の底」の意味である。
ぞっこんは、「心の底から」以外に「すっかり」や「まったく」などの意味でも用いられたが、「ぞっこん惚れ込む」などと表現されることが多く、現代では主に「本気で惚れ込むさま」を表す言葉となった。
漢字表記は「底根」と「属懇」が近世に見られるが、「属懇」は「ぞっこん」の音による当て字であろう。