おかしいの語源・由来

おかしいの語源には、好意的に興味を持って迎えることから、「招き寄せる」意味の動詞「をく(招く)」の形容詞形とする説と、「愚かなこと」「馬鹿げていること」を意味する名詞「をこ(痴・烏滸)」の形容詞形とする説がある。
おかしいの古形は「をかし」で、『枕草子』や『更級日記』などに見られる「いとをかし」は、「風情がある」「趣がある」といった意味で訳されるように、対象を好意的に捉えており、「招く」の説が当てはまる。
「滑稽だ」「普通と違って疑わしい」という意味では、愚かなことを意味する「をこ」の説が当てはまり、おもしろさを表す「滑稽」の意味から「ほほえましく魅力的である」という意味が生じたとすれば、「心をひきつける」「趣深い」という意味にも通じる。
ただし、「滑稽」という意味の「をかし(おかしい)」は、平安中期頃から多く見られるため、「趣がある」を意味する「おかしい」と、「滑稽」を意味する「おかしい」は、別々の語であったとも考えられる。
おかしいの漢字は当て字で「可笑しい」と書くが、「疑わしい」の意味の場合は「奇怪しい」が当てられる。

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