柳の語源は、以下のとおり諸説ある。
1.古く、矢を作る材料としており、矢を作るのに用いる細い竹を「矢の木」と言ったことから、「ヤノキ」が転じたとする説。
2.「楊」の字音「ヤン(yang)」に「i」が加わり「ヤナギ」、もしくは「楊の木(ヤンノキ)」が変化して「ヤナギ」になったとする説。
3.成長が早いことから、「イヤナガ(彌長)」の略転とする説。
4.「楊」は、あの世とこの世を区別する境界の象徴とされる木なので、「ユノキ(斎木)」の転とする説。
5.柔らかく撓む(たわむ)ところから、「ヤハナエキ(柔萎木)」の意味とする説。
6.枝葉は細長く糸のようであるところから、「イトナガキ(糸長木)」の約「ヨナキ」が転じたとする説。
7.魚を捕らえる仕掛けに用いられたため、「ヤナキ(梁木・簗木)」の意味とする説。
一般には、1の「矢の木」の説が通っている。
しかし、「柳」と言えば普通は「シダレヤナギ」を指し、原産は中国であることから、「楊」の字音説も十分に考えられる。
漢字の「柳」の右側は「卯」ではなく、「留」の原字である。
「楊」は、「易」に「上がる」「伸びる」という意味があり、長く上に伸びる木を表す。
日本ではシダレヤナギに「柳」を使い、ネコヤナギのように上に向かって立っているヤナギには「楊」を用いて区別することもある。